3. イスラエルの変化と聖書の預言



  では、受け入れ側のイスラエル国はどうなるのだろうか?

  聖書預言では、全世界からユダヤ人、イスラエル人が現イスラエル国に帰還し、イスラエルの山々の町は人で満ち、その領土は現在よりも少し大きく、ヨルダン、シリア、レバノンの領土に入り込むようになる。 世界中からの、大勢のイスラエル人たち、・・・ それでもその人数は内戦・天災などによって制限されるが ・・・ を帰還・定着させるために、イスラエルが領土を広げることに伴う戦闘、パレスチナに対する扱いが必要となるが、このことにより、全世界からイスラエルが憎まれることになり、次のゴグ・マゴグという大イベントへとつながる。創世記15:18 ・・・ エジプトの川からユーフラテスまで ・・・ の領土まで広げられるのは、ゴグ・マゴグの後である。



  (1) イスラエルの戦闘再開:


    「わたしは彼ら(エフライム)をエジプトの地から連れ帰り、アッシリヤから彼らを寄せ集める。わたしはギルアデの地とレバノンへ彼らを連れて行くが、そこも彼らには足りなくなる。」(ゼカリヤ10:10)

    ・・・・・ ギルアデ=ヤボク川近辺の地、ヨルダン川東部のヨルダン国の領内と、レバノン国南部、及び、ゴラン高原を含むシリア国南西部にイスラエル国の領土が広げられていく。これは、実に、主によって行なわれることである。


  現在のイスラエル共和国は、人口:700万人(建国時の1948年は300万人)であり、89年までの旧ソ連、東欧からの100万人が流入したが、米国にはまだ600万人のユダヤ人がいる。最近はロシアからの移民は減少し(06年;9378人、前年比23%減)、一方、北米からの移民は増加傾向にある。(06年;3200人、前年比7%増) 2006年の移民トータルは、21000人でここ18年間で最低だった。
  これは、いわゆるユダヤ人(かつての南ユダの2部族、すなわち、ユダ族+ベニヤミン族(+レビ族))のみの数字で、聖書預言によると、これに残りの10部族のイスラエル人(ルベン、シメオン、ダン、ナフタリ、ガド、アシェル、イッサカル、ゼブルン、ヨセフ、マナセ)が大挙して加わるはずである。レビ族(祭司職)は北イスラエルのヤロブアム王の時代に南のユダにほとんど移動したとされるので、イスラエルの民は10部族である。ただし、ダン族のエチオピアのベト・イスラエルは、すでに8万人以上帰還している。((注) 最終的には、ダン族は黙示録7章の14万4千人には含まれておらず、代わりにレビ族が12部族の一つに入っている。)


  ● さて、08年12月19日、エジプトが介入した、パレスチナ自治区ガザ地区で強硬派のイスラム原理主義組織ハマスと、イスラエルとの停戦期限が切れ、再び戦闘状態になった。停戦中、イスラエルは実質的な封鎖緩和措置は取らず、ガザ住民の生活困窮に人道上の懸念を世界に示す状況になっていた。
  ハマスは武装部門を中心としたガザの武装勢力は連日、ロケット弾をイスラエル領に撃ち込んでいたが、その報復措置として用意周到な電撃作戦を行い、27日からイスラエルはハマスの軍事拠点に連日空爆を行なっている。ロケット弾攻撃と空爆の報復合戦は継続し、イスラエル側は地上戦への準備を完了させている。この空爆でガザのパレスチナ側に多くの死者(09 1/1の時点で400人)が、また、イスラエル側にも死者(30日まで5人)が出ている。フランスからの、ガザ地区への人道支援物資搬入のため48時間停戦を提案を、31日、オルメルト首相はガザ地区からのロケット弾攻撃がやまないことを理由に拒否した。
  この空爆の規模が予想以上に大きいことから、アラブ諸国を中心に(レバノンのヒズボラ、ハマスを支援するイランはもちろん、モロッコやイエメン、英国などでもパレスチナ人を支持するデモや集会が行なわれた)を中心に反イスラエルの動きが広がり、欧米でも世界の世論はイスラエルを非難し始めている

  ・ 06年夏にも、レバノン、イスラム教シーア派組織・ヒズボラがイスラエル軍兵士2人を拉致した事件が引き金となり、イスラエル軍はヒズボラの拠点を中心に空爆を加え、さらに地上作戦も展開した。作戦は1カ月余りに及び、レバノン側に1000人を超す死者、イスラエル側にも110人を上回る死者を出している。しかし、この時はレバノン侵攻作戦は頓挫し、ヒズボラの軍事組織は生き残り、イスラエルが以前ほど恐れられなくなっていたので、ガザからのロケット弾攻撃が相次ぐようになっていた。

  ・ 07年9/6には、イスラエル軍は、その特殊部隊が仕掛けた誘導装置により、シリア砂漠地帯ユーフラテス東岸の核施設と見られる47メートル四方の建物をミサイルで破壊した。これは、北朝鮮の協力で作られた、核兵器製造に必要なプルトニウムを製造する2万キロワット級の原子炉だった可能性が強い。北朝鮮の中東での核開発技術移転は、モサドなどを通じて、イスラエルが10年前から警戒してきたという。北朝鮮はこれまでエジプト、リビア、シリアにミサイルを売却している。


  このように、リック・ジョイナーの預言が成就し始め、中東における戦闘は広がっていく

  『経済的にも政治的にも重要な鍵を握っている立場にあるユダヤ人は、外見上、何らかの陰謀を企てているように見える。そのため、再び 中東で争いが起こり、シリアのダマスカス(首都、世界遺産)も荒廃してしまうと、世界中の国々がイスラエルとユダヤ人に対して猛烈な敵意を抱くようになる。

  ユダヤ人たちへの迫害は、あちこちで大量虐殺が行われるほどの規模であり、彼らをかくまうクリスチャンたちも迫害を受けるが、これは世界中に散っているユダヤ人たちをイスラエルに帰還させるための主の導き(エレ16:14−16など)である。ドイツとスウェーデンはユダヤ人をかくまう。

  これらの迫害の中でイスラエルと教会は一つになり、この時クリスチャンたちはユダヤ人たちに、大きな霊的権威をもって”単純な福音”を付き付けるのである。この時、多くのユダヤ人が、アブラハムの信仰に「接ぎ木」(ロマ11:24)されるようになり、これは、主の再臨直前の小艱難期に次ぐ最大数の救いとなる。』

          ( ・・・ リック・ジョイナー、『収穫』(角笛出版)、p265、266より抜粋)




  (2) ゴグ・マゴグの壊滅とヤーウエ信仰の回復:


    「ペルシヤとクシュとプテも彼らとともにおり、みな盾とかぶとを着けている。ゴメルと、そのすべての軍隊、北の果てのベテ・トガルマと、そのすべての軍隊、それに多くの国々の民があなたとともにいる。 」(エゼキエル38:5、6)

   ・・・・・ 「ペルシャ」=イラン、イラク、アラビア、 「クシュ」=エチオピアなど、(エジプトはリバイバルして書かれていない)、 「プテ(プント)」=東アフリカから南アラビアまで、これらはイスラム圏の国々であり、「ゴメル」=ドイツ語圏あるいはヨーロッパ、 「北の果てのベテ・トガルマ」=「ベテ・トガルマ」とはアルメニアであるが、広く、北ヨーロッパととる。これらの国が、ロシアと堅く同盟し、イスラエルを総攻撃してくるのである。


  ユダヤ系の企業の評判が悪く、経済的に弱体化して、あまりイスラエルを擁護しなくなった米国に代わり、ロシアが介入してくる。

  ロシア、すなわち、(霊的には)マゴグの地のゴグは、中東和平を見せかけ、イスラム諸国、ヨーロッパと堅く同盟し、イスラエルとは(偽りの)和平条約を結ぶ。そして、イスラエルにとって、「平和だ。安全だ。」という状況が出来上がり、多くのイスラエル人、ユダヤ人たちが、現在よりもシリア、レバノン、ヨルダン方向へ拡大されたイスラエル国に大挙して帰還する。世界各国におけるユダヤ人迫害や主の御手による天災などの導きにより、一人も異邦に残らないほどに徹底的に駆り出され(残りは死亡する、あるいは、殺されるが)、イスラエルに移住するようになる。この時、ロスチャイルド、モルガンなどの世界のユダヤ財閥も、日本の天皇家も、それぞれの部族の一部として移住すると考えられる。(天皇は、形の上で”イスラエル国の王”となるかもしれない。また、”にせユダヤ人”は入れない。) 彼らは、異邦で行なってきた偶像崇拝やあらゆる邪悪な行いなどの汚れを悔い改め、主の民となり、(人口密度は非常に高いが)建て直され、整えられ、豊かになったイスラエルの地で平和に生活するのである。

  しかし、このロシア、および、その同盟国による”中東和平”は、初めから彼らのはかりごとであり、ゴグ・マゴグの連合軍は、「(人数が多くて)城壁も、かんぬきもない」イスラエル国に突然侵入する。その数は「地を覆う雲」のようであり、イスラエルの町々から大いに「略奪」しようとして、イスラエルの山々に集合する。イスラエルの人々は町にひそんで隠れている。この様子は全世界に放映される

  まさにこの時、イスラエルが散らされて以来の大きな奇跡が起こる。主の時が来て、主がイスラエルを再びあわれまれ、天地万物の創造主である主(ヤーウエ)ご自身が、ゴグの大軍に大きなさばきを行なわれるのである!
  イスラエルの地に大地震が起こり、すべての崖は崩れ、ゴグの大軍の上に、大雨、雹、火と硫黄が降り注ぎ、彼らはすべて同士討ちして滅ぼし合う。ゴグの大軍は壊滅し、イスラエルの山や丘は彼らの死体で満ち、どこからともなく集まってきた肉食動物や猛禽の大群が、彼らの死体を食い尽くして骨だけにする。(cf. 終末の時は、猛禽の代わりに”悪霊ども”が食い尽くす(黙19:17、18))
  イスラエルの人々は出てきて、(律法の規定により)7ヶ月以内に彼らの骨を埋める。また、7年間はゴグの軍隊の兵器を燃やして燃料とすることができる。(すなわち、次の、「終末の時」が来るまで、この時から少なくとも7年間ある。)

  この様子はことごとく、リアルタイムで全世界に放映され、世界中の多くの人々は、聖書預言が極めて驚くべき規模で成就することを目の当たりにし、そして、主は生きておられることを知り、多くの人々が信仰に入り、異邦の大リバイバルとなる。イスラエルは、旧約時代のヤーウエ信仰が回復し、エルサレムには第3神殿が建てられる。



    * 帰還民受け入れのための準備:(ヨハネ会の計画案)


  大勢の帰還民を受け入れるためには、イスラム圏である周りの諸国との貿易が困難なこと、石油を産せず全面的に輸入に頼っていること、今後アメリカの援助に頼ることが困難になること(金融危機、不況、オバマは民主党)、などから、どうしても食料、エネルギーを自活しなければならない。
  イスラエルでは、”水”の一滴は”血”の一滴である。イスラエル(中東)の大部分の土地は(特に南部やヨルダンは)、高温・乾燥した砂漠地帯であり、冬の雨季にわずかに降る雨によってオリーブなどの地中海性気候で育つ植物が生える程度である。たとえば、ヨルダン川の水量も意外と少なく、予定されている。『平和と繁栄の回廊』(日、イ、パレスチナ、ヨルダン共同の農業・流通事業)もヨルダン川の水を最も効率よく用いるよう計画されている。現地や死海周辺でよく用いられる方法は、パイプに空けられた横穴から植物の根元に滴下する”点滴灌漑法”(斜面や圧力の勾配に応じたコンピューター制御)で、野菜や果物などを日本の都市近郊よりも効率良く生産している。(光を通し、熱反射する高密度ハウス栽培) 点滴灌漑法が不可能な穀類などは輸入に頼っているのが現状である。
  したがって、異常気象で、ユダヤの砂漠地帯やヨルダンなどの乾燥地に雨が降るようにならなければ、とても大勢の帰還民を養うことはできない。

  そこで、いわゆるフリーエネルギー原理(あまり大っぴらに用いられないが、イスラエルでは可能)を利用した装置 ・・・ 海水、あるいは、死海の水から低コストで真水を得る装置 ・・・ を使用するしかない。(死海からはリチウム塩も採れる) ドバイや中東の石油産出国などで使われている海水から真水を得る装置は、エネルギーをかける、メンブレン・フィルターなどの高コストな方法であるが、これを2段階の特別な処理で、超低電力、フィルターの濾過効率、寿命とも大幅増で、かなり低コストで農業に適する程度の真水作ることができる。(* ヨハネ会で開発中。また実際、日本のO社の製品はすでにハワイ方面への日本の中型マグロ漁船に2台に搭載され、現在も問題なく使用中)
  また、同様の原理による、空気からエネルギーを得て回るエンジンがあるが、これを発電機につなげて電力源とする。
  このようにして、荒地だった南部のユダヤ地方、死海周辺、ヨルダン地域などは、豊かな太陽の下で、すぐさま全面緑になることだろう。
        (→ ニューサイエンス対応の導き )

  また、ゴグ・マゴグの時に起こる大地震に備え、耐震設計の住居・建物を建設していく必要があるだろう。



    「エルサレムの平和のために祈れ。おまえを愛する人々が栄えるように。」(詩122:6)

    「(アブラハムの子孫 = イスラエルに)あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。」(創12:3)



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